目次
そもそも「マイニング」の意味とは?

仮想通貨は英語圏では「Crypto Currency(クリプトカレンシー)」と呼ばれており、日本語訳では「暗号通貨」です。例えばビットコインならば、世界中で取引されたビットコインの取引記録を取引台帳に追記して「暗号」を掛ける作業を10分毎に繰り返して行われており、その作業には莫大な計算量が必要となる為、世界中のコンピューターリソースを借りる形で成り立っています。
その計算を行うのがマイニング(採掘)と呼ばれる作業です。
仮想通貨はマイニング(採掘)をする事で、報酬として仮想通貨を獲得出来る仕組みとなっています。10分毎に取引台帳に追記処理が行われますが、世界で1番最初に追記処理に成功させた人だけにマイニングの報酬が支払われる形となります。10分毎に世界で1人だけですから、マイニング(採掘)の競争率が相当高いというのはご想像頂けるのではないでしょうか。
マイニングって儲かるの?コストは??
マイニングにかかる電気代
マイニング自体は無料で配布されている「発掘プログラム(ソフトウェア)」をパソコンなどにインストールする事で、誰でも行う事が出来るのですが、前述の通り世界中の取引に整合性を持たせる為の計算を10分毎に行う事となるので、高性能なコンピューターマシンが必要になり、またそのコンピューターを稼働する為と冷却する為に莫大な電気代が必要となります。残念ながら日本国内では電気代が高く、採算があわないと言われています。
ビットコイン登場初期の「発掘」はパソコンなどのコンピューターがあれば誰でも出来るものでしたが、現在は企業が事業として行っているところも多く、競争率が高過ぎますし、加えて日本の電気料金を考慮すると、個人でマイニングを行う事は難しいでしょう。
マイニング(採掘)をする為の情報収集
では、マイニング(採掘)するにはどの通貨を選ぶべきか。例えばビットコインやイーサリアムなどの主要コインは競争率が高くなりますし、逆にマイナー過ぎるコインだと価格が低く、場合によっては赤字になる可能性もあります。仮想通貨は価格ボラリティが高い為、どの時期に何の通貨をマイニング(採掘)すべきかなど情報収集をしなければなりません。そういった情報を自分で集めるのか、それともマイニング自体を委託するのか、委託する場合は手数料などのコストが発生する事となりますよね。
マイニング(採掘)マシンのコスト
まずマイニング(採掘)を始める為には高性能コンピューターマシンの購入などの初期費用が必要となりますが、それとは別にランニングコストも必要となります。例えば電気代の安い国でマイニングを行った場合も無人という訳にはいきませんし、機械ですからメンテナンスも必要となるでしょう。時にはマシンが故障してしまう事もあるかもしれません。これも完全に委託するならコストが必要となる訳です。
大規模マイニングなら不動産コストも
またマイニング投資において継続的に利益を出して行く為には高性能コンピューターマシンを大量に用意する必要があります。その場合はマイニング専用の設備が整った施設などを用意する必要があります。大規模なマイニングファームとなれば広大な土地が必要となる訳です。
日本におけるマイニング環境をざっくりまとめると!
まず高額なコンピューターマシンを大量に用意する必要がある事、そしてそのマシンを稼働させる為に、莫大な電気料金が掛かる事、そしてそのコンピューターマシンを冷却する為には、気候の涼しいエリアでマイニング(採掘)した方が有利とされる事、世界中の企業やマイナー(採掘者)と呼ばれる団体と対等に渡り合う為には、この位の設備を用意しなければ利益を継続的に出す事は難しいといわれています。
マイニング(採掘)に適しているとされる環境
- 気温が涼しい
- 電気代が安い
- 土地代が安い
- 高性能マシンを同時に稼働出来る環境や設備
これでは個人がマイニング(採掘)する事が難しいですよね。でも、マイニング(採掘)は電気代が安いエリアで行えば相当儲ける事が出来るシステムです。何とか個人でもマイニング投資を行えないか…。
そこで登場したのが「クラウドマイニング」です。
クラウドマイニングとは?

クラウドマイニングとは、簡単に言えばマイニング団体に投資をする事で配当を得る事が出来るシステムです。
前述の通り、マイニング(採掘)は個人で行っても太刀打ち出来ないのが現状です。
巨額の資金を投入出来る企業が、本格的に事業としてマイニング(採掘)を行えば、個人では競合するのは難しくなります。そこで個人投資家同士が資金を集めて企業と競合しようとする動きがありました。それが「プールマイニング」と呼ばれるものであり、「クラウドマイニング事業」の発端でもあります。
「マイニング」には大きく分けて3種類方法があります。
クラウドマイニングの種類
ソロマイニング
自分1人で機材を揃えてマイニング作業を行います。採掘に成功すれば報酬は全部受け取れますが、難易度が高くコストも全て自分で負担しなければならない。
プールマイニング
自分でマイニングに必要な機材を揃えますが、複数人でコストや作業を分け合います。採掘に成功した場合は、報酬も複数人で分け合う形となります。
クラウドマイニング
マイニングに必要な機材の購入やマイニング作業も必要ありません。マイニングを行う企業へ投資する事でマイニング報酬の一部を受け取れます。
クラウドマイニング まとめ
クラウドマイニング事業を行う会社は、マイニング(採掘)を行いたい不特定多数の個人投資家から資金を集める事で、高性能なコンピューターマシンを大量に購入出来ますし、気候が涼しくて電気代の安いエリアに設備を用意する事が出来ます。世界中の企業や団体と対等に競合出来る環境を作る事で、マイニング報酬を受け取れる機会も増える事となります。
つまり世界中に競合が増えている現状で、マイニング投資を行うなら「クラウドマイニング事業」を利用するのが最も「効率的」となります。投資を受けた企業は、その資金を使ってマイニングに適した設備を揃えられますし、採掘に成功する回数も必然と増えて来ます。採掘の成功回数が増えれば、投資を行った個人投資家へ投資額に合った成功報酬を得られる形となるのです。
これは株式投資と仕組みは似ているかもしれません。
投資家が企業へ投資を行い、企業はその資金で設備を整え利益をあげる。その報酬として配当が支払われる。
それでは、実際に「クラウドマイニング」にはどんなメリットとデメリットがあるのか。簡単にですがまとめておきます。
クラウドマイニングのメリット
マイニングへの知識が無くても参加する事が出来る
仮想通貨に対する知識やマイニングに対する知識は必要なく、クラウドマイニングは投資として利回りを考えれば良いだけです。
マイニングは利益効率が良い
利益効率の良い土地、環境でマイニング(採掘)を行う事となるので、他の投資と比べて利益効率は高いとされています。逆に電気代の高い地域では大きな利益を出すのは難しくなるので注意が必要です。
個人でマイニングマシンを購入する必要がない
個人でマイニングを行う場合は、高性能コンピューターマシンや周辺設備などの機材を一式揃える必要があります。現在マイニングに使用されているコンピューターは計算能力だけに特化した性能となっている為、一般のパソコンとして活用するのは難しくなっています。クラウドマイニングでは、不特定多数の個人投資家全員で高性能コンピューターマシンや周辺機器を購入する形となるので、機材を買う必要はありません。
マイニング機器の稼働費用や熱、騒音対策が必要無い
個人で高性能マシンを四六時中稼働させる事となれば、莫大な電気代が必要となります。また、高性能マシンをフルで稼働させる事となれば、非常に高温となります。それを冷却する為に空調もフル稼働が必要となる事でしょう。また騒音の問題もあります。その点、クラウドマイニングならば自宅で機器を動かす訳ではないので、そういった機器の維持や騒音などに気を使う必要はありません。
法人投資なら、マイニング事業へ「経費」として計上する事が出来る
法人や個人事業主の方は余った利益の使い道で悩む事が多いと思います。利益を大きく余らせれば、それだけ多くの税金が発生してしまいます。その点、マイニングは設備投資として経費計上する事が出来ます。また、クラウドマイニングの場合は「外注費」、または「賃借料」で計上する事が出来るので、一括で経費として計上する事が可能となります。
クラウドマイニングのデメリット
クラウドマイニング業者へ支払う手数料
クラウドマイニング事業を行っている団体も慈善事業ではないので、手数料が発生する事となります。この手数料の中には機材の代金や場所代、電気代などマイニング(採掘)に必要な経費が含まれる形となります。これは必要経費と思って諦めましょう。
クラウドマイニング業者が倒産するリスク
もし自分が出資している企業が倒産してしまったら…それは株式投資でも同じリスクがあると思います。特にマイニング事業はまだ歴史の浅い分野でもあるので、これから新規参入する大手企業などが増えた場合、小規模なマイニング業者は倒産してしまう可能性もある訳です。逆に言えば、大手企業が多く参入する前だからこそ、利回りも良いといえるのかもしれませんが、リスクとしては考えておいた方が良さそうです。
仮想通貨の価格下落リスク
仮想通貨の価格は大きく上下します。例えばビットコインは2017年1月13万円代から12月には220万円を超える価格まで上昇しましたが、2018年5月時点では80万円まで下落するなど、価格に激しいボラリティがあります。価格が下落すれば、マイニング(採掘)で得られる配当も下がる事となります。逆に価格が上がれば配当が増える事とはなりますが、想定以上に下落してしまうリスクも想定しなければなりません。
仮想通貨採掘難易度
例えばビットコインには、2週間に1度のペースで採掘の難易度調整が行われます。
ビットコインのブロック生成は10分に1度行われていますが、10分以内に生成される状態が続けば、難易度を上げて10分間隔で生成されるように調整される形となります。この難易度調整は2016ブロック毎に1度行われていますが、難易度を上げると採掘者(マイナー)が離れ、難易度を下げるとマイナーが集まる傾向にあるといわれています。高性能コンピューターマシンが登場すれば、より早く採掘する事が可能となる為、この難易度が上がり続けるリスクがあります。他の競合に負けない為に、より高性能なマシンへの更新(購入)が必要になる事も視野に入れなければなりません。
クラウドマイニングで取得した仮想通貨の税金
クラウドマイニングで採掘に成功した仮想通貨は基本的には取得した時価から必要経費を引いた金額から税金の計算がされます。
所得金額=マイニング取得時の時価-必要経費
また、マイニングで取得した時点より仮想通貨の価格が上がって売却時利益が出た時も課税の対象になるそうです。仮想通貨は価格に激しいボラリティがありますので、計算が複雑となるケースが考えられます。クラウドマイニング投資を行うなら、税理士に相談するなどの対策をとっておいた方が良いかもしれません。
クラウドマイニングを行っている日本企業はある?

クラウドマイニング投資のメリットやデメリットなど、少しづつご理解頂けてきたかと思いますが、ではクラウドマイニング事業を行っている日本企業はあるのか?について簡単に調べてみました。
ズバリ言えば、日本企業はマイニング事業においては世界に遅れを取っている状況です。しかしGMOインターネット株式会社やDMM.comなどの大手企業が参入を表明して話題を集めています。
GMOインターネットのクラウドマイニング事業
GMOインターネットでは、仮想通貨の採掘(マイニング)事業において2018年8月よりクラウドマイニングサービス「Z.com Cloud Mining」の提供を開始すると発表しています。
しかしGMOインターネットで行うクラウドマイニング事業は、1契約500万ドルを予定するなど、現時点では法人向けのサービスとなります。特にマイニングは法人の場合、節税の効果が大きいとされています。GMOが法人向けサービスから先行するのは当然の流れかもしれません。
個人向き商品としては、マイニング(採掘)に適した高性能コンピューターを自社開発しており、ビットコイン向けマイニングコンピュータ(マイニングマシン)の「GMO miner B2」の発売を発表しました。初出荷は2018年10月の見込みで、電力性能・計算性能で世界トップの性能を実現したそうです。
具体的には1秒間で24兆回の計算(24テラハッシュ/秒)が可能で、消費電力は1950ワット。世界に先駆けて7ナノメートルプロセスのマイニングチップを導入した為、マイニング(採掘)に台あたりの計算性能と電力性能で他社製品を上回りました。
また、他社製品がマイニングマシン1台あたり1台のネットワーク機器を必要とするのに対し、この製品は1台につき最大32台まで接続できる為、周辺機器のコストダウンにも大きく貢献するそうです。
「GMO miner B2」は既に世界中のマイナー(採掘者)から注文が殺到しており、GMOインターネットではこの製品の販売をグローバル展開すると共に、自社のマイニングセンターにも取り入れていく方針との事。
GMOインターネット株式会社のクラウドマイニング詳細ページへ
DMM.comのクラウドマイニング事業
マイニング(採掘)は数百台単位のコンピューターマシンを同時に稼働し、発する熱を冷却する為に膨大な電気代を必要とします。なので一般的には年間を通して寒冷なエリアや電気代の安い国での立地を検討するのが一般的です。
ですが、DMM.comは、何と日本の石川県金沢市にマイニングファームを建設しました。あえて日本国内で1000台規模の大規模マイニングファームを設立した理由は、今後個人から投資を募る「クラウドマイニング」の計画があるからこそ。DMMは1万円程の小口投資からでも参加出来るような「クラウドマイニング事業」を目指しており、その間口を拡げる為にあえて日本国内の立地を選んだそうです。
日本で「クラウドマイニング事業」の認知度を上げる為に、広告塔の役目として大規模ファームを国内設立した意図があるという訳ですね。DMMではクラウドマイニング事業の募集を2018年夏に開始する予定となっています。どういった形となるか注目しておきたいですね。
熊本電力(OZマイニング)のクラウドマイニング事業
地域電力会社として初となるマイニング事業へ参入するのが熊本電力です。熊本電力は2018年2月に仮想通貨マイニング(採掘)事業を行う関連会社「OZ(オズ)マイニング」を設立しました。
事業内容としては、顧客の用途に応じてマイニング施設の構築やクラウドマイニングサービスの提供を行うとの事。マイニング(採掘)における一番のコストは「電気代」ですが、電力会社がマイニング事業を行う事で「業界最安値」を目指すそうです。
電力会社は余剰電力をマイニングへ活用出来ますので、余剰電力の無駄を少なくする事が出来ます。これは面白い発想かもしれませんね。クラウドマイニングのサービス開始はまだですが、今後注目のクラウドマイニング会社となりそうです。
SBIホールディングスのクラウドマイニング事業
SBIホールディングスは早い段階から仮想通貨事業に注力している企業です。
米国のリップル社と共同で合弁会社「SBI Ripple Asia株式会社」を設立し、国際送金のブリッジ通貨を目指しています。また、「SBIバーチャルカレンシーズ」は仮想通貨取引所を2018年6月4日よりサービスを開始させ、「SBIクリプト」では既にマイニング事業を行っており、ビットコインキャッシュ(BCH)のマイニング(採掘)事業で大きなシェア獲得を目指しています。
現時点では「クラウドマイニング事業」のサービス開始に関しては明言をされていませんが、今後の需要ニーズに合わせて「クラウドマイニング事業」へ舵を切る可能性があるかもしれません。
海外のクラウドマイニング企業を選ぶ際の注意点

上記に挙げた日本企業ならば、クラウドマイニング投資を行う際に安心感がありますが、2018年6月時点ではまだクラウドマイニングサービスをスタートしていません。また利益率を考えた場合、海外のマイニング会社の方が有利なケースも多いかもしれません。しかし、海外のマイニング事業を行う企業を利用する場合はしっかりとしたリサーチが必要です。
というのもクラウドマイニングは、個人で実際に機材を購入する訳ではなく、マイニングを行う企業に投資を行うだけです。クラウドマイニング事業を行う為に資金を集めておきながら、実際にはマイニングを行わないなどの事例もあるそうです。
その為、クラウドマイニング投資を行う場合はどの業者を選ぶべきか、しっかりとリサーチをする必要があります。逆にいえば、この業者選びさえ間違わなければ、クラウドマイニング投資は利回りも高い投資法です。しっかり調べて投資を行えば、今後の仮想通貨の価格上昇と供に大きなリターンを見込めるかもしれません。
そこで当サイトでは、現時点で利用出来るおすすめのクラウドマイニング会社を比較出来るようにピックアップしました。クラウドマイニング投資に興味を持たれた方は参考にしてみて下さい。
おすすめクラウドマイニング会社比較ランキング
ハッシュフレアのクラウドマイニング

ハッシュフレアは最低投資額100円程度から始められるクラウドマイニング会社となります。クラウドマイニング投資を少額から試したい方に一番オススメです。日本語対応済みなので初心者でも安心。
ジェネシスのクラウドマイニング

ジェネシスマイニングは創業が2013年で、クラウドマイニング業界の中では比較的歴史が古く、実績も有る為、信頼性の高いクラウドマイニング会社といえます。
ナイスハッシュのクラウドマイニング

ナイスハッシュは気軽にクラウドマイニングを試せるソフトウェア。マイニングする側(売り手)とハッシュパワーを購入する側(買い手)の仲介サービスを行っており、代わりに手数料を徴収するサービスを展開しています。
ハッシング24のクラウドマイニング

ブロックチェーン技術の分野で世界有数の技術提供企業「Bitfury Group(ビットフューリー)」が運営するのが「ハッシング24」。ハッシュレートをオークション方式で売買するサービスを展開しています。
ハッシュネストのクラウドマイニング

マイニングASICで約70%のシェアを誇るBitmain社が運営するクラウドマイニング専門サイトです。マイニングマシン丸々1台分購入するか個人間でハッシュパワーの「売買」をするかを選べます。