仮想通貨を安全に保管する為の選択肢の一つが「ハードウェアウォレット」です。仮想通貨はインターネット上の通貨ですが、その「秘密鍵」を物質の世界へ保管して、インターネットから切り離して保管する事が出来るのが「ハードウェアウォレット」です。
目次
- 1 ハードウェアウォレットとは?
- 2 ハードウェアウォレット性能比較 まとめ
- 3 ハードウェアウォレット対応通貨一覧とおすすめランキング
- 3.1 おすすめランキング【1位】「TREZOR」トレザー
- 3.2 「TREZOR」トレザーの対応通貨一覧
- 3.3 おすすめランキング【2位】「Ledger Nano S」レジャーナノエス
- 3.4 「Ledger Nano S」レジャーナノエスの対応通貨一覧
- 3.5 おすすめランキング【3位】「KeepKey」キープキー
- 3.6 「KeepKey」キープキーの対応通貨一覧
- 3.7 おすすめランキング【4位】「CoolWallet S」クールウォレットS
- 3.8 「CoolWallet S」クールウォレットSの対応通貨一覧
- 3.9 おすすめランキング【5位】「Digital BitBox」デジタルビットボックス
- 3.10 「Digital BitBox」デジタルビットボックスの対応通貨一覧
- 4 ハードウェアウォレットを利用する際の注意点
ハードウェアウォレットとは?

ハードウェアウォレットは、インターネットと繋がっている訳ではありませんので、ハッキングされる可能性も無く、仮想通貨を保管する上でセキュリティ上は最強の保管方法と呼べるかもしれません。
数百万円以上分の仮想通貨を保有している方の殆どは、このハードウェアウォレットを活用されているのではないでしょうか。特に仮想通貨を長期保有される場合はセキュリティの面からもオススメの保管方法となります。
では、「どのハードウェアウォレットを使えば良いの?」と思われる方も多いと思いますので、本ページでおすすめの「ハードウェアウォレット」の性能比較とおすすめをランキング形式でまとめたいと思います。
ハードウェアウォレットは「秘密鍵」を物質世界で保管出来る
ハードウェアウォレット自体に仮想通貨を保管している訳ではなく、インターネット上にある仮想通貨を保管している「金庫」へアクセスする為の「鍵」のようなものと考えた方が分かり易いかもしれません。
つまり、仮想通貨自体はインターネット上のブロックチェーンの中に存在しており、そこにアクセスする為に必要な「鍵」を、物質世界で保存しておくのが「ハードウェアウォレット」ですね。
他の保管方法では、「秘密鍵」を自分で保管する事が出来ない
例えば、仮想通貨取引所に自分の資産である仮想通貨を保管したままの場合、もしその取引所が倒産してしまった場合は、ブロックチェーン上には自分の資産が残っているのに、自分で「秘密鍵」を管理していないので、その資産を回収する事が出来ない事態となります。
例えば2018年1月に起きたコインチェック事件では、多くの利用者がブロックチェーン上に残る自分の資産を取り出す事が出来なくなりました。
これが少額の資産ならば諦めも付くかもしれませんが数百万円以上の資産なら大変な事です。長期保有を考えていて、多額の資産を保管するならハードウェアウォレットの方が安心かもしれません。
もしハードウェアウォレットを紛失してしまった場合
「ハードウェアウォレット」の中に仮想通貨が入っている訳ではないので、もしハードウェアウォレットを無くしてしまったとしても、仮想通貨自体はブロックチェーンの中に残っているので安心して下さい。要は「金庫のカギを無くしてしまった」だけですから。
もしハードウェアウォレットを無くしてしまった場合は「パスフレーズ」を使う事で「鍵」を復元する事が出来ます。
但し、「パスフレーズ」も紛失してしまった場合は、現時点(2018年)ではブロックチェーン上に保管した通貨は取り出せなくなります。つまり「パスフレーズ」だけは絶対に紛失しないように、印刷などして複数の場所に保管しておくのが得策かもしれません。
尚、解錠するには「PINコード」の入力が必要となりますので、仮に「ハードウェアウォレット」を誰かに盗まれてしまっても、直ぐには仮想通貨を引き出す事は出来ないでしょう。
ハードウェアウォレット性能比較 まとめ

2018年現在、仮想通貨のハードウェアウォレットは有名ところでは5種類ありますが、その中でも多くの著名人や仮想通貨愛好家などが利用しているのは「Ledger Nano S」や「TREZOR」なのではないでしょうか。
どのハードウェアウォレットが優れているか、各項目で比較してまとめたいと思います。
ハードウェアウォレットの取り扱い仮想通貨種類 比較
ハードウェアウォレットの仮想通貨の取り扱い種類に関しては、バージョンアップを重ねる度にその種類も増えています。こちらは2018年7月時点の各ハードウェアウォレットの取り扱い仮想通貨種類の比較です。
Ledger Nano S | 25種類 |
TREZOR | 15種類 |
KeepKey | 7種類 |
CoolWallet S | 6種類 |
Digital Bitbox | 5種類 |
ハードウェアウォレットの「PINコード」セキュリティを高める機能 比較
PINコードとは「暗証番号のようなもの」です。手元の動きや数字の配置などからPINコードが第三者に読み取られてしまうのを防ぐ為の機能は有しているかの比較です。
Ledger Nano S | 可能 |
TREZOR | 可能 |
KeepKey | 可能 |
CoolWallet S | 不可 |
Digital Bitbox | 不可 |
ハードウェアウォレットの「パスフレーズ設定」の可否 比較
パスフレーズは「パスワードのようなもの」です。ウォレットを使用する際に必要なパスワードと考えて下さい。パスフレーズの設定が可能かどうかの比較です。
Ledger Nano S | 可能 |
TREZOR | 可能 |
KeepKey | 可能 |
CoolWallet S | (記載無し) |
Digital Bitbox | 可能 |
ハードウェアウォレットで複数アカウント作成の可否 比較
アカウントを複数使い分ける事が出来れば、用途によって口座の使い分けなどが出来ます。「長期保有用」や「決済用」であったり、「マイニング用」など。複数アカウントを作成出来るかどうかの比較です。主に「利便性」に関わる項目とお考え下さい。
Ledger Nano S | 不可 |
TREZOR | 可能 |
KeepKey | 可能 |
CoolWallet S | 可能 |
Digital Bitbox | 可能 |
ハードウェアウォレットの送金手数料調整の可否 比較
仮想通貨を送金する際は、トランザクション手数料が高い方が速く承認される事が多いです。急ぎの送金などの場合は、トランザクション手数料を通常より高額に設定する事で、より速く送金をする事が可能となります。その調整機能が有るか無いかの比較です。
Ledger Nano S | 可能 |
TREZOR | 可能 |
KeepKey | 不可 |
CoolWallet S | 可能 |
Digital Bitbox | 可能 |
ハードウェアウォレットの価格 比較
価格は実際に利用する場合を考慮して、アマゾン(Amazon.com)で購入した場合の価格で表記しました(2018年7月時点)。尚、価格は変動しますので、目安程度で比較でお願いします。
Ledger Nano S | 15,800円 |
TREZOR | 8,500円 |
KeepKey | 7,900円 |
CoolWallet S | 21,298円 |
Digital Bitbox | 7,980円 |
ハードウェアウォレット対応通貨一覧とおすすめランキング
ハードウェアウォレットの特徴や対応通貨、利便性や価格帯など比較した上で「おすすめのハードウェアウォレット」をランキング形式でまとめたいと思います。ハードウェアウォレットを選ぶ際に一番重視したいのは「対応通貨」でもあると思いますので、各々の対応通貨一覧も掲載します。尚、対応通貨に関しては時期により増減する事がありますので、実際に購入する場合は公式HPなどで対応通貨などをご確認頂く事を推奨致します。
おすすめランキング【1位】「TREZOR」トレザー

取り扱い仮想通貨種類 | 15種類 |
「PINコード」セキュリティ | 可能 |
「パスフレーズ設定」 | 可能 |
複数アカウント作成 | 可能 |
送金手数料調整 | 可能 |
価格 | 8,500円 |
※2018年7月時点のデータとなります
「TREZOR」トレザーの対応通貨一覧
- ビットコイン(BTC)
- ライトコイン(LTC)
- ダッシュ(Dash)
- ジーキャッシュ(ZEC)
- モナコイン(MONA)
- ネムコイン(NEM)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコインゴールド(BTG)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ネム(XEM)
- ネームコイン(NAME)
- ドージコイン(DOGE)
- ユービック(UBIQ)
- ビットコインテストネット(Testnet)
※2018年7月時点のデータとなります
トレザーは日本の仮想通貨著名人も利用している方が多い事で有名ですね。特に「使い勝手が良い」と評判のようです。特徴としては「XEM(ネム)」に対応している唯一のハードウェアウォレットなので、「XEM(ネム)」を保管したいと考えている方はトレザーを利用しましょう。
おすすめランキング【2位】「Ledger Nano S」レジャーナノエス

取り扱い仮想通貨種類 | 25種類 |
「PINコード」セキュリティ | 可能 |
「パスフレーズ設定」 | 可能 |
複数アカウント作成 | 不可 |
送金手数料調整 | 可能 |
価格 | 15,800円 |
※2018年7月時点のデータとなります
「Ledger Nano S」レジャーナノエスの対応通貨一覧
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコインゴールド(BTG)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ライトコイン(LTC)
- リップル(XRP)
- ダッシュ(Dash)
- Zキャッシュ(ZEC)
- ドージコイン(DOGE)
- ネオ(NEO)
- ユービック(UBQ)
- ステラ(XLM)
- コモド(KMD)
- デジバイト(DGB)
- ヴァートコイン(VTC)
- ハローゴールド(HGT)
- ポスダブリューコイン(POSW)
- アークコイン(ARK)
- エクスパンセ(EXP)
- バイアコイン(VIA)
- ステルスコイン(XST)
- エイチキャッシュ(HSR)
- クアンタム(QTUM)
- FIDO U2F
※2018年7月時点のデータとなります
レジャーナノエスはハードウェアウォレットの中でも対応通貨の種類が一番多いのが強みです。しかし1台で4~5種類までの通貨しか管理する事が出来ません。その点で利便性においてはトレザーには及ばない結果となりました。尚、仮想通貨時価総額3位であるXRP(リップル)に対応している点も注目です。見た目もスタイリッシュで人気のハードウェアウォレットですね。
おすすめランキング【3位】「KeepKey」キープキー

取り扱い仮想通貨種類 | 7種類 |
「PINコード」セキュリティ | 可能 |
「パスフレーズ設定」 | 可能 |
複数アカウント作成 | 可能 |
送金手数料調整 | 不可 |
価格 | 7,900円 |
※2018年7月時点のデータとなります
「KeepKey」キープキーの対応通貨一覧
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- ライトコイン(LTC)
- ドージコイン(DOGE)
- ダッシュ(DASH)
- ネームコイン(NMC)
※2018年7月時点のデータとなります
世界最大の仮想通貨両替所であるShapeShift(シェイプシフト)と連携しているのがキープキーです。その点でも安心感はありますよね。画面が大きく扱い易い点が好評なようです。対応の通貨はビットコイン(BTC)の他、主要アルトコインを取り扱っていますね。但し、時価総額3位のリップル(XRP)は含まれていないので注意しましょう。他の通貨を取り扱う予定の無い方にはオススメのハードウェアウォレットかもしれません。
おすすめランキング【4位】「CoolWallet S」クールウォレットS

取り扱い仮想通貨種類 | 6種類 |
「PINコード」セキュリティ | 不可 |
「パスフレーズ設定」 | (記載無し) |
複数アカウント作成 | 可能 |
送金手数料調整 | 可能 |
価格 | 21,298円 |
※2018年7月時点のデータとなります
「CoolWallet S」クールウォレットSの対応通貨一覧
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ライトコイン(LTC)
※2018年7月時点のデータとなります
カード型なのでクレジットカードのような感覚で財布などに携帯出来る点は魅力です。また他のハードウェアウォレットはPCと接続する事で利用出来ますが、クールウォレットSはデバイス本体と専用アプリがインストールされているスマホがあれば、どこでも操作が可能です。携帯性に優れたウォレットですね。また「ウォッチドッグ機能」を搭載しており、クールウォレットSとの距離が10メートル離れた際には警告音が鳴るシステムなども導入しています。またワンタイムパスワードなども備えているなど、少し高級路線のハードウェアウォレットとなります。取り扱い通貨は6種類と少ないですが、時価総額上位の通貨をカバーしているので、日本国内の取引所をメインで利用している方には十分かもしれません。価格が高額な点は減点です。
おすすめランキング【5位】「Digital BitBox」デジタルビットボックス

取り扱い仮想通貨種類 | 5種類 |
「PINコード」セキュリティ | 不可 |
「パスフレーズ設定」 | 可能 |
複数アカウント作成 | 可能 |
送金手数料調整 | 可能 |
価格 | 7,980円 |
※2018年7月時点のデータとなります
「Digital BitBox」デジタルビットボックスの対応通貨一覧
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ライトコイン(LTC)
- ERC20トークン
※2018年7月時点のデータとなります
MicroSDカードに「パスフレーズ」のバックアップを取る事が可能な点は便利です。スペルミスなどで復元が出来ないといった事故を防ぐ事が出来ますからね。しかしMicroSDカード自体を紛失してしまう可能性もありますので、やはり紙などに印刷して保管しておいた方が良さそうです。取り扱い通貨は5種類と少ないです。ビットコインやイーサリアムしか触らない予定ならば良いかもしれませんが、やはり最低でも主要のアルトコインまではカバーして欲しいですね。今後の拡張に期待したいです。
ハードウェアウォレットを利用する際の注意点

2016年に仮想通貨は日本政府が「貨幣の機能を持つ」と閣議決定をしています。つまりブロックチェーン上に存在しているのは大切な「資産」と同じです。その資産をどう保管するかで悩まれる方も多いとは思いますが、セキュリティの面ではやはりハードウェアウォレットが一番だと思います。
もしハードウェアウォレットを利用するつもりなら、「まず、どの通貨を保管したいのか」対応通貨を調べる事が一番です。また、ハードウェアウォレットは冒頭で書いたように、ブロックチェーン上に存在する資産へアクセスする為の「鍵」となります。
「パスフレーズ」を紛失してしまった場合は、ブロックチェーン上から回収する事は現時点(2018年時点)では出来ませんので、取り扱いには十分注意しましょう。
『数億になったけど取り出せない。どうにかして欲しい。4時間かけてイベントに来た。でも秘密鍵は無い』『本当に心苦しいのですが秘密鍵をなくしたら取り出せないんです…。』いつも告げる時辛い。そしてこの事を理解してもらうのに時間かかるのも辛い。感情的になられたらもっと辛い。
— Miss Bitcoin Mai (@missbitcoin_mai) 2017年12月19日
こんな事になったら目も当てられません。
「パスフレーズ」を紛失するのが怖い、または「パスフレーズ」の管理が面倒だという方は、信用出来る国内大手の取引所などに預けておくのも手です。例えば国内大手のビットフライヤー(bitFlyer)は「盗難補償」なども有るそうですよ。
ビットフライヤー
ですが「長期保有」且つ「大金」を預ける場合はリスク面を考慮してもハードウェアウォレットは選択肢に入れておいた方が良いかもしれません。特にマイニングなどで長期に渡って通貨を保有する予定の方は準備しておく事をオススメします。