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熊本電力(OZマイニング)の仮想通貨マイニング事業

九州の地域電力会社である熊本電力も2018年2月20日に仮想通貨マイニング(採掘)事業への参入を発表しました。「OZマイニング」を設立、顧客の用途に合わせたマイニング施設の構築、運営やクラウドマイニングサービスの提供を行っていく方針です。
- 最適なマイニング環境の提供
- 安定した電力供給源の確保
- マイニングファームの提供
- クラウドマイニングの提供
熊本電力(OZマイニング)は、この4本を柱に仮想通貨マイニング事業を展開しています。
マイニングには莫大な電気代コストが掛かるのが一般的ですが、電力会社がマイニング事業を行う事でコストを抑えられる事となります。「餅は餅屋」という言葉がありますが、「電気の事なら電力会社」に任せるのが一番効率的かもしれません。この試みは面白いと思います。
熊本電力はマイニング事業を関連会社「OZマイニング」が行う事で、安定した「業界最安水準」の電力供給を目指す方針です。
熊本電力(OZマイニング)の電気料金比較

熊本電力は現在、九州エリアと首都圏含む東京電力エリアで電力サービスを展開していますが、OZマイニングが構築するマイニング施設への電力供給は全国どこでも対応出来るそうです。
OZマイニングが構築するマイニング施設への電力供給価格はエリアによって価格に幅はあるとしていますが、熊本電力からの余剰電力供給により、1キロワット時10円台を目指すそうです。
東京電力の一般的な電力価格でマイニングを行う場合は1キロワット時約30円掛かりますが、新電力ベンチャー企業のループが2017年9月に発表した仮想通貨事業者を対象にした電力小売りプラン「マイニングフラット」では1キロワット時約22円と大きな話題を集めました。
OZマイニングが構築するマイニング施設への電力供給は更に電気料金コストを抑えられる事が出来そうです。
- 東京電力(300kWh超プラン) 1キロワット時 約30円
- ループ(マイニングフラット) 1キロワット時 約22円
- OZマイニング 1キロワット時 総額で10円台を目指す(地域によって幅アリ)
熊本電力(OZマイニング)のクラウドマイニング

OZマイニングでは個人投資家向きのクラウドマイニングサービスの提供も予定しています。
熊本電力が余剰電力を供給する形で、OZマイニングが施設の構築と運営を行いますので、電力面でのコストは「日本国内では最安水準」で利用出来るサービスとなるのではないかと予想されています。
不要な設備削減、排熱コントロールによるエネルギーの有効活用、工期短縮や効率的な設備機器の開発などに注力して「低コスト」なクラウドマイニングサービスを開始する為に準備を行っているそうです。
サービス開始となれば「日本国内でローコストで行う仮想通貨マイニング」として大きな注目を集めそうですし、余剰電力の有効活用となるので、エコの面でも問題無さそうなのも魅力的かもしれません。
熊本電力(OZマイニング)のクラウドマイニングサービスの提供は2018年6月現在、まだ正式なアナウンスはありませんが、サービス内容に期待出来そうです。
熊本電力がマイニングファームの稼働開始(2018年8月から)
【※2018年8月追記】

熊本電力株式会社の子会社である「OZマイニング」は、2018年8月1日からマイニングファームを稼働する事を発表、8月1日からマイニングファーム第一期の募集を開始しました。
熊本電力のマイニングファームの場所やサービスプラン、マイニング出来る仮想通貨の種類など本ページにてまとめたいと思います。
熊本電力(OZマイニング)のマイニング施設

熊本電力(OZマイニング)は、熊本県北部に位置する熊本県菊池市と大津町を拠点とした大規模なマイニングファームを設営、自社電力を利用したマイニングファームで、「クラウドマイニング」で提供する設備などは、全て自社設備から提供する予定としています。
熊本電力では、最近は太陽光を利用した発電施設が増加した事で、余剰電力が多いそうです。電力会社はこの余剰電力をマイニング(採掘)へと活用出来ますので、余剰電力を少なくする事が出来ます。余剰な電力を利用したマイニング(採掘)なので、環境の面でも優れた活用方法と呼べますね。
熊本電力(OZマイニング)のマイニングチップ・マシン
- ANTMINER S9i マイニングマシンASIC
- ANTMINER E3 マイニングマシンASIC
- INNOSILICON A8 マイニングマシンASIC
- INNOSILICON D9 マイニングマシンASIC
- GPU AXRX RX580 GPUマイニングリグ
- GPU GeForse GTX1060 GPUマイニングリグ
熊本電力(OZマイニング)で採掘出来る仮想通貨の種類
熊本電力(OZマイニング)で採掘出来る仮想通貨の種類は上記マイニングマシンから下記の仮想通貨マイニングが可能となります。ビットコイン(BTC)の他にも主要アルトコインであるイーサリアム(ETH)、モネロ(XMR)なども採掘可能な点は面白いですね。
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モネロ(XMR)
- モネロクラシック(XMC)
- ディークレッド(DCR)
- ジーキャッシュ(ZEC)
熊本電力(OZマイニング)の料金プランまとめ

プランA
引き受け単位 | 100台~ |
管理手数料 | 4,000円/台/月 |
電気料金 | 11円~14円(季時別料金 税込み 再エネ賦課金・燃調費含まず) |
プランB
引き受け単位 | 100台~ |
管理手数料 | 月間採掘料の20% |
電気料金 | 9.5円~12.5円(季時別料金 税込み 再エネ賦課金・燃調費含まず) |
設置するマイニングマシン目標台数の規模
熊本電力の第一次事業内容
熊本県菊池市 OZマイニングファーム1
2018年8月1日 稼働開始 稼働数 約100台分
熊本県菊池市 OZマイニングファーム1
2018年8月1日 稼働開始 稼働数 約500台分
熊本県大津町 OZマイニングファーム2
2018年8月以降稼働予定 約500台分
熊本県大津町 OZマイニングファーム2
2018年9月以降稼働予定 約500台分
合計 約1,600台分
熊本電力 2020年目標設置台数まとめ
熊本県菊池市 OZマイニングファーム1
2018年8月以降稼働予定 稼働数1,500台
熊本県大津町 OZマイニングファーム2
2018年9月以降稼働予定 稼働数10,000台
熊本県八代市 OZマイニングファーム3
2018年10月以降稼働予定 稼働数2,000台
熊本県大津町 OZマイニングファーム4
2018年11月以降稼働予定 稼働数2,000台
熊本県八代市 OZマイニングファーム5
2018年11月以降稼働予定 稼働数2,000台
最終的に熊本電力(OZマイニング)は熊本県の大規模ファームで2020年3月までには台数1万4000台以上、売上は月間9000万円の目標を達成する計画だそうです。日本一の電気料金の安さを誇る電力会社に拠るマイニング事業は、日本でどれ程の成果を挙げる事が出来るのか、世界中のマイナー(採掘者)から注目が集まります。