仮想通貨の取引やマイニング(採掘)を行おうとすると必ず出て来る言葉が「ウォレット」です。そもそも「ウォレット」って何だろう?と思われる方も多いと思いますので、このページで簡単に分かり易くまとめたいと思います。
目次
ウォレットとは仮想通貨の財布のようなもの

仮想通貨は「通貨」なので、それを保管する場所が必要です。例えば、法定通貨の「円」は財布に保管したり銀行に預けたりしますよね。それと同じように仮想通貨にも保管する場所が必要となります。それが「ウォレット」と呼ばれています。
ウォレットの種類
尚、「ウォレット」には大きく分類すると4種類存在します。それぞれを簡単に分かり易く説明したいと思います。
- 取引所や販売所
- WEB(ウェブ)ウォレット
- ソフトウェアウォレット
- ハードウェアウォレット
仮想通貨を保管する「ウォレット」は主に上記の4つに分類出来ると思います。それぞれのメリット、デメリットをまとめたいと思います。
取引所や販売所に仮想通貨を預ける メリット・デメリット

恐らく、仮想通貨の取引をされている大部分の方はこれに該当するのではないでしょうか。仮想通貨を購入した取引所や販売所にそのまま保管する方法となります。
取引所・販売所へ保管する場合のメリット
取引所や販売所に保管する一番のメリットは「楽」である事が挙げられると思います。例えば日本の取引所や販売所で仮想通貨を保管していた場合は、直ぐに「円」に換金出来るなどのメリットも大きいでしょう。
取引所・販売所へ保管する場合のデメリット
これはやはり一番は「倒産」の可能性がある事です。特に海外のあまり聞いた事がないような取引所や交換所は気が付いたら無くなっていた…なんて事も有り得なくはないと思います。仮想通貨は「通貨」な訳ですから、信用出来る取引所・販売所以外は大量の通貨を保管しない方が良いと思います。
また、ハッキングの可能性です。日本でも2018年初頭にコインチェックの「NEM」流出事件が大きな社会問題になりました。各取引所・販売所共にセキュリティには注力しているとは思いますが、それでもハッキングされる可能性も有るという事は頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。
取引所や販売所に仮想通貨を保管するなら、やはり国内大手をオススメしたいです。ウォレット替わりに口座だけでも作っておく事をオススメしますよ。
WEB(ウェブ)ウォレットに仮想通貨を預ける メリット・デメリット

最近利用者が増えているのがこのWEBウォレットと呼ばれているウェブサービスです。PCのフリーメールのように、IDやPASSを入力する事で利用出来るウェブサービスですね。
マイニングプールなどで世界最大手のBTC.comなどがWEBウォレットサービスを行っています。
または「MyEtherWallet.com」などでも作成可能です。無料で作成可能なようです。
WEBウォレットに仮想通貨を保管する場合のメリット
WEBウォレットはインターネット内にある財布なので、秘密鍵を入力する事で世界中のどこからどこでもお金を動かす事が出来ます(インターネット環境必須)。これはやはり大きなメリットでしょう。
WEBウォレットに仮想通貨を保管する場合のデメリット
インターネットに繋がっている=ハッキングのリスクがある。これはどうしようもない問題なのかもしれないですね。例えば良く分からないWEBウォレットへ登録して通貨を送金した場合、そのまま無くなってしまうような事態も考えなくてはいけません。また「フィッシング詐欺」なども報告に挙がっていますので、利用する際は注意する必要があります。
世界中のどこからでもログイン出来て、送金出来るのはやはり便利ではあるのですが、利用は少額に留めておくのが無難かもしれません。あくまでも個人的な見解ですが。
ソフトウェアウォレットに仮想通貨を預ける メリット・デメリット

仮想通貨の保管場所としてはスタンダードな方法かもしれません。ソフトウェアウォレットは、自分のパソコンやスマホにソフトウェアをダウンロードする事で利用出来るウォレットです。
ソフトウェアウォレットに仮想通貨を保管する場合のメリット
WEBウォレットとの大きな違いは「ID」や「PASS」を第三者のサーバーに送信する必要が無い点です。その点でセキュリティの面で安心出来ます。自分が所有するパソコンやスマホといった端末に保管する感覚なので、一番しっくり来るのではないでしょうか。アドレス自体は直ぐに取得可能な点もメリットですね。
また一部の仮想通貨はソフトウェアウォレットに保管しておくだけでマイニング報酬を得られる場合があります。これはコンセンサスアルゴリズムで(POS)や(POI)を採用している通貨の場合です。
ソフトウェアウォレットに仮想通貨を保管する場合のデメリット
まず第一に所有しているパソコンやスマホがウイルスに感染してしまった場合ですね。ソフトウェアウォレットに仮想通貨を保管する場合は、特にウイルス感染に気を付けなくてはなりません。
また「秘密鍵」や「ウォレットパスワード」、「復元フレーズ」や「バックアップファイル」などを厳重にバックアップしておく必要があります。例えばパソコンが急に壊れてしまった場合は、仮想通貨も一緒に消えてしまう可能性もある訳です。その点はやはりデメリットと言えるのではないでしょうか。
ソフトウェアウォレットのスマホアプリ「Ginco」

日本のベンチャー企業が開発したスマホアプリ版のソフトウェアウォレットもあります。例えば「Ginco」は使い易さで人気ですね。資産の状況を一目で把握出来るポートフォリオや仮想通貨自体を交換する両替機能など、興味深い機能を多数用意しているソフトウェアウォレットです。
ハードウェアウォレットに仮想通貨を預ける メリット・デメリット

仮想通貨を大量に保有しているコア層の殆どの方は、ハードウェアウォレットを利用されていると思います。何しろセキュリティに関しては最強ですからね。
ハードウェアウォレットに仮想通貨を保管する場合のメリット
最大のメリットは前述のようにセキュリティ面です。ハードウェアウォレットは小さな端末に電子鍵を保存出来ます。インターネットに繋がっていないので、ハッキングのリスクはゼロです。紛失してしまった場合でもパスフレーズを残しておけば復元出来るので安心です。パスフレーズは紙などの物質に印刷して金庫にでも閉まっておきましょう。
ハードウェアウォレット仮想通貨を保管する場合のデメリット
ハードウェアウォレットのデメリットは価格が高い事です。大体1万円~3万円程の費用が掛かります。また対応している通貨が少ない事や、(POS)マイニングなどには対応していない点です。また、一度インターネットの世界から物質世界へと仮想通貨を移動させるので、直ぐに売買が出来ないなどのデメリットもあります。
例えば仮想通貨を大量に購入して、長い期間売買する予定が無い方はハードウェアウォレットへ保管するのが一番安全かもしれません。
仮想通貨はインターネット上の通貨ですが、その「鍵」を保管するのが物質世界が一番安全というのも皮肉めいてますね。今後の仮想通貨業界の発展で、その点は改善される事を期待したいと思います。